夫婦の会話２。

竹田いさみ「世界史を作った海賊」ちくま新書\760の途中。 「まだ読んでる途中なんだけど、米国もネィティブアメリカンや黒人奴隷への虐待という国の成り立ちが酷いけど、16世紀のイギリスも海賊を使ってスペインの富を強奪したり奴隷売買していたんだね」 「何々?」 「ヘンリー8世がメアリー1世と離婚してアン・ブーリンと結婚するためにカトリックをやめて、プロテスタントと組んでイギリス国教会を作ったんだよね」 「そうそう、まったく勝手だよね」 「離婚されたメアリー1世はもちろん恨み骨髄、プロテスタントに対してカトリックへの改宗を迫り虐待をした」 「あっそれブラッディメアリーね」 「あれ、お前酒飲まないのによく知ってるね」 「うん、その辺の宮廷物は映画やhuluでよく見てたから」 「それで、ヘンリー8世の後を継いだエリザベス1世は富国強兵に走り、海賊と手を組んでスペイン交易船を襲い、交易地を略奪してスペインの没落を図ったわけだ。これがカリブの海賊ね、ディズニーが力入れてたやつ。 俺もディズニーランドのカリブの海賊なんかの制服生地を作ったけどね」 「そうね、でもたいてい人間は酷い事やってるよね」 「そう、日本だって後漢書や倭人伝には、倭が生口(人質)を中国に献上したと書いてるし、戦国時代にも人質奴隷を取るのが当たり前。秀吉が禁教したのも、カトリックが日本人奴隷を海外に売る事を促進したからと言うからね」 「人間はいつも戦争してるし、奴隷売買も無くならないね。2000年前に虐待されたユダヤ人が、今頃同じ事をガザでやってるし」 「それにエリザベス1世の時に、海賊船団を作ために投資が始まり、それを管理するのにシンジケートを組み、保険屋が蠢く。スペインの動向を探るためにスパイ網を充実させて、それがMI6、007にも繋がって行くんだ、面白いねえ、知らなかったけど。 この時に海賊を帝国海軍に編入し、海賊ドレークが司令官でスペインの無敵艦隊をやっつけて大英帝国の礎を築くんだね」 「そうね、歴史の教科書は全然面白くないけど、そういう興味深い所から読み始めると歴史も面白くなるのにねえ、教科書はダメだねえ」 「そう、この本を読んだりカリブの海賊の映画を観てから歴史を学ぶと歴史に興味持つ子が増えるだろうね」 元々本好きだし、退職後の時間があるから、生涯で一番本を読んでいるけど、知らなかった事が繋がって、そうか、と納得するのは楽しい。話すと同じ目線で受けてくれる女房も有り難い。時々嗜められるけど。 でも彼女は本よりもhuluの方がお好みなので、ちょうど補完し合って良いのかもね。