中央大学が都心へ? 神田カルチェラタンはどこへ行った。

今朝の朝刊の一面広告で中央大学が、茗荷谷にキャンパスが出来ることを宣伝していた。 おいおい、48年前の1971年に御茶ノ水校舎を売っぱらって、八王子に移転したんじゃなかったのかい。後に神田カルチェラタンと言われ、移転に反対した全学連などがデモを繰り広げて、挙句は道路を机や椅子で封鎖するという戦法に出て、機動隊の導入という結末に至った。 機動隊は怖いよ。当時、中央に入学したばかりの私は、ノンポリで休講に憤りを感じるくらいだったが、デモの連中がこちらに逃げてくれば、当然機動隊もドドドドと盾をかざして追い掛けて来る。逃げましたよ私も。 移転反対の大きな理由は、当時都心で中央の夜学に通っていた学生が一万人以上いて、八王子へ移転すると通学出来なくなるという、真っ当なものだった。 定時制高校を卒業した私には、気持ちはよく分かった。高校三つ、大学二つ、会社三つと過ごしたのは、今では私の誇りだが、それはまた別の機会に。 私は自分で働いた金を貯めて入学していたから紛争には断固反対、休講になれば金返せ、と思うくらいだった。秋頃になって紛争がますます激化する様子を見て、私は以前から行きたかったICUを再受験することに決めた。 翌春に合格し、一年間の中央大学生活を捨てて、田舎の小さなICUで勉学することとなった。学内の寮に四年間お世話になり、人類学と出会ってまともに卒業して東レに就職が決まった。 あの学生運動が無ければ、私の人生は物凄く違うものになっていただろう。などと女房に話していたら、良かったじゃない私と出逢えて。 はい、仰る通りです。私のようなモノがまともに定年まで働けたのは貴女のおかげです。子供達も何とか無事に育ち、孫まで授かった。万歳、神田カルチェラタンでございます。