転機

2021年10月18日 「孫たち」 孫は男二人、両親も私たちジジババも同じように接しているつもりだけれど、二人の性 格と行動は違うねえ。 孫1号は活発だけれど、繊細で物分かりが早い。花を愛でたり水をやるのが大好き。友 達は、同年輩ともよく遊ぶが年上の、特に女の子が大好き。誰に似た? 電車が大好きで パズルも電車。トミカ はスポーツカー。 孫2号は我が道を行く野武士。高い所や滑り台もドンドン進んでやる。プラレール より トミカ 、しかも働く車。 もちろん似通った部分が多く、一緒なのは、他人と自分の区別が出来ている事。割り込 んだり、人の物を取ったりは絶対しない。こっちが「大丈夫かい、もっと主張しても良 いんだよ」と思うくらい優しい。こういう二人がどう育っていくか、価値観をどう変化 させるのかさせないのか、楽しみでもある。 自分を振り返ると、70歳にもなるのに、なんか中学生の頃と感じ方考え方が変わってい ないのじゃ無いか、と思う事が多々ある。頼られれば、とことん頑張るけれど、人を押 し除けてまで主張するのは嫌だし、好きなものは好き、嫌なことはしたくない。よく70 までまともに ? 社会生活出来たものだ。 「CIと人類学」 自分の価値観を確立するのに、二つの転機があったからかも知れない。 一つは大学で専攻した人類学。知らない物を知る、という好奇心を満たしてくれる事、 そして「すべての文化は平等で等価値」だという物の見方。当然、年齢も肩書きも性別 も関係なく、内容を大事にするので、生意気だと非難攻撃される事も多かった。でもナ ンボのもんじゃい、と生きて来られた。 この考え方は、たぶん人類学など知らないだろう金子みすゞと通じるところがある。「 みんなちがって、みんないい 」「オオバいわしの大漁に賑わう浜と同時に、海の中で は何万の?いわしの弔いがある」なんて言葉には吃驚した。私の信奉する人類学と同じ だと思った。 もう一つは、会社で30代にCIの仕事をした事。突如、社長プロジェクトに放り込まれ、 見ちゃったねえ、組織の凄さと人の愚かさ・素晴らしさ。CIはまず「誇るに足る内容が 組織・自分にあるか」と存在価値を問う点が、他の様々な手法と根本的に違う。カイゼ ンも魚の骨もAIも、すべて今の組織・自分が有るという前提で進めるが、CIはまず自分 の存在から疑い、それが固まって初めてビシュアルやビヘイビアの変革へと進んで行く 。それさえ固まれば、手段は別にCIで無くても何を使っても構わない。 こんな風に、自分にとっては人類学とCIが今でも大事な存立基盤になっている。だから と言って、決して私が良い人間だとは言えないけれど。まあ「人類学は変人がやるもの 」「CIを担当したものは、社長になるか首を吊る」という噂があるのも確かだからなあ 。私はこの二つと、自分の毒を中和してくれる女房が居たおかげでやって来れたかな。 孫たちや親族友達が仲良く幸せに、そして世界も穏やかに進めばいう事ないけどなあ。