アルバイト　その３

振り返ってみると、私は公私共に新しい事やマイナーな事に関わるのが多い人生だ。中学2年でサッカーを始めたが、マイナーだったねえ。 その後、高校三つ、大学二つ、会社は三つ経験して今に至るけれど、最後の40年働いた東レでも、営業・経営企画から関係会社まで5部署を経験した。 糸売り中心の中で織物を作り、超高機能プラスチックの開発営業、社長プロジェクトでCI開発など新規な事業を担当したが、関係会社に飛ばされてからは技術も人もいなかったので自分で考え、社外と組んで新規事業を作らざるを得なかった。 逆に、伝統に縛られず社会の役に立ち、自分が良いと思った事を企画実践して、儲かれば何でも出来たのは面白かったなあ。公私混同と言われようが、やったもん勝ちの最後の20年だった。その辺はまたそのうち書こう。 アルバイトだった。思い出すのは、夏休みのバイト二つ。 1971年、1年間だけ通った中央大学の時、黒板作りを経験した。横浜の鳥海黒板店で黒板を作り、茅ヶ崎の小学校に持って行って古いものと取り替えるという仕事。 木の板から台を作り、砥粉や塗料を塗ってから、水研ぎ。10数枚出来上がると、オート三輪に積んで茅ヶ崎へ持って行って交換取り付け。運転しないから楽なんだけど、暑いし黒板は結構重いんだよね。 それでも社長は面倒見が良く、帰りは湘南の海で泳いだり、最終近くでは横浜の聘珍楼でご馳走までしてくれた。当時、Gパンは労働者や若者の履く下等なズボンから少し認知され始めた頃。 聘珍楼ではオーバーズボンを用意していて、Gパンの上から履かされたなあ。 その時仲良くなったKさんとは関内・桜木町のキャッシュオンデリバリーのバーで飲んだり、ダウンビートや千草などのジャズ喫茶でスカして遊んでいた。もう50年以上前になるんだなあ。 ICUの2年の夏休みは、いすゞの藤沢工場でシボレートラックの荷台ドアをスポット溶接する仕事だった。荷台ドアを溶接機に送り込み、バッチンバッチンやるんだけど怖かった。 指導員は、絶対に溶接機に手を出すなよ、と言うけど、誰が出すかい。掌に穴が開きます。治具を作るとか何とかせんかい。まあ無事に２ヶ月働いて結構金を貰えたなあ。 アルバイトで思い出すものを記録してみたが、まあ興味ある事しかやってないから意外と面白かったし良い経験だった。

昔の黒板、今はどうなっているのかな。	この生地砥粉を塗って、その上に緑の塗料。水で磨いて整えて完成。	マツダのオート三輪、たぶんT-5000に黒板を積んで湘南の小学校へ。