<堀内と伊達>
「果鋭」 黒川博行/幻冬舎/\1800 | 図書館。堀内と伊達がパチンコ業界に首を突っ込んで大立ち回り。上手いし面白いのだけれど、尻すぼみで読後感が爽やかでない。もう読まなくて良いかな。 |
「繚乱」 黒川博行/毎日新聞社/\1700 | 図書館。大阪府警を追われたかつてのマル暴担コンビ、堀内と伊達のシリーズ。説明っぽくなく、会話で畳み掛ける文章力は上手い。ユーモアとハッピーエンドが有れば言うことないのだが。 |
「悪果」 黒川博行/角川書店/\1800 | 公民館。堀内と伊達のシリーズ、こっちが第一作だった。大阪府警での行状。上手いのだけれど、やはり真面目過ぎて、息が詰まる。ユーモアとハッピーエンドが有れば言うことないのだが。 |
<シリーズ疫病神>
「泥濘」 黒川博行/文藝春秋/\1800 | 図書館。例のパターンで二宮が、桑原のしのぎ活動に巻き込まれ、悪戦苦闘。会話が漫才的にポンポンとやり取りされ、面白い。ずいぶん文章が上手くなった。事態のえぐさも軽くて、安心して読めるなあ。最後に桑原が撃たれたがまだまだ続くだろう。 |
「喧嘩」 黒川博行/角川書店/\1700 | 第六作、図書館。前捌きを依頼された二宮が、破門された桑原を巻き込んで引っ掻き回されるいつものパターンだが、会話が活き活きしている。この人は小説より脚本の方が向いているかも。やはり落ちはいまいちで寸詰まり。 |
「破門」 黒川博行/角川書店/\1700 | 第五作。映画製作出資金を横領された桑原は、失踪したプロデューサーを追いかけ、巻き込まれた二宮はいつものごとく翻弄され、というパターン。面白い。ずい分こなれていて長編なのに飽きさせない。 |
「螻蛄」 黒川博行/新潮文庫/\920 | シリーズ疫病神第四作。最凶コンビが巨大宗派の絵伝をめぐって東奔西走。危ない橋を渡るが何とか決着。スピーディで面白い。 |
「暗礁」上下 黒川博行/幻冬舎文庫/各\600 | シリーズ疫病神第三作。東西(佐川)急便をめぐる警察と暴力団の抗争。これは面白い、出来が良いわ。構成も良いが、二人の会話、テンポが楽しい。 |
「国境」上下 黒川博行/文春文庫/各\680 | 面白い。この人は上手い。ただしつこく描きすぎて、長くなりすぎる。全体構成が甘いので、最期に桑原が生き残っていた部分がラフになり興醒めする。惜しい。 会話も洒落ているし、構成を事前に固めてもう少し文章量を刈り込めば、バディムービー的な痛快本になるのに。 |
「疫病神」 黒川博行/角川文庫/各\730 | 面白いしワクワクする。バディというか最凶のコンビの処女作。構成も上手くキャラも立っていて、会話に乗せられてこっちものめり込む。もう少し刈り込んで、悠紀との絡みを持つと書き込めば言うことなし。 |
<黒マメ、ブンと総長>
「大博打」 黒川博行/新潮文庫/\590 | 図書館。つまらなかった。今度の狂言回しは竹やんで、文田と総田はほとんど出てこない。こういうやり方は面白みが持続せず信頼感が出てこない。導入部で、女に2トンの金塊を運ばせる、という設定がもう話しにならなくて白ける。 これは失敗作だな。じいさん、ケイなど面白くなりそうなキャラはあるのに惜しい。 |
「テトロドトキシン」 黒川博行/角川文庫/\640 | 図書館。猟奇的連続殺人を追う二人の刑事。四人目の犠牲者が拉致されて、なのだがいまいち面白くないなあ。ありきたり。 |
「アニーの冷たい朝」 黒川博行/角川文庫/\560 | 図書館。初の短編集。やはり若書きだなあ。筋が甘い、舌足らずだけれども今に繋がる構想の目はある。 |
「絵が殺した」 黒川博行/徳間書店/\1200 | 図書館。此方の方が先の作品か。文田と総田は少し出て来るだけで、主人公は同僚の吉永。相棒は新米のおざわだが、それなりに良い味だ。贋作団の仲間割れを追いかける。 |
「ドアの向こうに」 黒川博行/創元推理文庫/\680 | 図書館。過激さがまだそれほどでもなく、読みやすい。謎解きはやや単純だし、犯人の建築士佐伯が物足りないけれど、ブンと早朝たちのやり取りは相変わらず面白い。 |
「八号古墳に消えて」 黒川博行/創元推理文庫/\680 | 図書館。場を考古学会にしているので興味はあったが、単に目新しい場ということだけだった。当然だけど。黒マメコンビは面白い掛け合いがあるのだけれど、黒木が単なる狂言回しになっているのがつまらない。 同僚や秦野史子のキャラが立っていると面白くなったと思うが。 |
「海の稜線」 黒川博行/角川文庫/\680 | 図書館。初期の警察バデイ小説。後の過激なバディ物のすべてがある。会話の戦いが痛快。文田と総田、そして東京ものの萩原警部補、ここにすべてがある。 |
「雨に殺せば」 黒川博行/門川文庫/\640 | 図書館。著者としては駄作。黒マメコンビが生き生きしていないし、黒木が単なる狂言回しになっていてつまらない。会話は弾まないし、プロット毎に面白みがなくつまらない。最後の謎解きは最低。 |
「二度のお別れ」 黒川博行/創元推理文庫/\540 | 図書館。著者の処女作で、第一回サントリーミステリー大賞佳作。処女作にすべてが有るというが、その通り。最新作の「国境」と同じ感想だった。最終章が唐突に犯人の告白で終わるのは反則。 |
<黒川博行>
「桃源」 黒川博行/集英社/\2000 | 図書館。最新作か、出来は良い。沈船詐欺を追求する捜査二係の新垣と上坂。テンポの良い会話は相変わらずで、残虐性は影を潜めて、気持ちよく読み進められる。南西諸島への追跡行は、私の学生時代のフィールドだったので懐かしい。最後に新垣が女性二人にフラれるのは面白みがない。 もう少し文章を刈り込んで、女性との絡みをきちんと書けば満点ですねえ。 |
「大阪ばかぼんど ハードボイルド作家のぐうたら日記」 黒川博行/幻冬舎/\1500 | 図書館。いやあ期待しなかったのにおもろいわ。50肩で整骨院へ行った話しは大笑いしてしまった。2.999の職業も面白い。 著者とよめはんの関係は、まさにシリーズ疫病神の桑原と二宮の関係。大阪弁が楽しい。 |
「封印」 黒川博行/文藝春秋/\1500 | 公民館。パチンコ台ブローカー勤務の元プロボクサーがやくざ、元警察幹部とのトラブルに巻き込まれ、恩人の社長を救うために駆けずり回る。まあ面白いが、初期の作品かな。 |
「後妻業」 黒川博行/文藝春秋/\1850 | 図書館。買う気はしなかったのだが、やはり読後感が良くない。文体、構成など上手いのだが。 |