W杯観戦

初出　2023. 1.23　　最終更新　2023. 2. 2

11/23
W杯、日本がドイツに2ー1で勝った。
いやあ大したもんだ。前半は0-1で負けて折り返し。日本選手は変にビビって9割がたドイツにボールを支配されていた。もう惨めで見るのが辛いほど。ボールを奪おうとしないし、前線とBK陣が間延びして、ドイツ選手に自由に動かれた。もう一点差で終わってくれと願うばかりだった。
マスコミが囃し立てる久保、鎌田、田中はまともにボールに触れないし、何処にいるのか分からない。前田は絶好のチャンスにオフサイド。ドリブルする伊東も相手BK2人も見える位置にいながらオフサイドなんて信じられない。チャンスは滅多にないから、それを決められるかどうかで勝負の行方が決まる。人生と同じだ。前田はヒーローになるチャンスを自分で摘んでしまった。
後半は、久保、田中、前田の3人を変えてコンパクトなラインを敷くべきだと息子と話していたら、森保監督は3BKにして三苫、浅野、堂安、南野と攻撃的な布陣を敷いて来たのでビックリ。彼のこんな采配は初めて見た。
それでも実は、ほとんど負けを予想していたのに選手は偉い。三苫が躍動し堂安、浅野が決めた。信じられない、大したものだ。今夜は勝利を喜んで、明日からまた頑張ってくれよ。
はっきり言ってドイツの選手、チーム力の方が上回っているのは明白だけれど、やりようで勝てるのがサッカーだ。監督、選手のインタビューを聞いてるとよく分かっているようで心強い。特に鎌田は冷静に相手と自分を分析していた。
それと中村憲剛の解説は的確で、現状分析も対策もきちんと話していたのに感心。27日の次戦が楽しみになった。
11/27
はあぁ、日本0-1コスタリカ。
悪い日本というか、日本の本質が出てしまった。守りを固める相手に対して、個人技が無く早いパス回しも出来ないから、安全な横パス、バックパスに逃げるばかりで全く進展が無い。
20分過ぎた頃、嫌な予感がして女房に言った。「こういう展開で進んでいくと、相手にポコンと入れられて負けるんだよな」
強い相手が攻めてくれると、日本も頑張って攻められるが、守りを固められると突破する技術も仕掛ける勇気も無い。私はサッカーをやっていたし好きなんだけれど、必死さと技術の無い日本のサッカーをあまり見なくなったのもこういう試合が嫌いなせいなんだなあ。不完全燃焼で後味が良く無いもんだから。
オシムさんが元気でいたら、日本サッカーを根本から変えてくれたろうになあ。
この試合で言うと、右サイドの伊東を先発から外して堂安にしたのが間違いだったと思う。伊東は唯一、常に愚直に突破しようと仕掛ける貴重な選手だ。長い時間使ってあげればチャンスを作ってくれたと思う。堂安は良い選手だけれど、伊藤のように盾の突破は弱いし、愚直に仕掛けるタイプでは無く、後半から良い位置取りで点を取ることが出来る。伊東が勿体なかった。試合後、ガックリして書く気にもならなかったが、まあ記録しておこう。ドイツとスペインが引き分けたので、良かったのか悪かったのか。日本がスペインと引き分けると、3チーム一勝一敗一引き分けで並ぶ可能性もある。日本が勝てば文句無く予選リーグ突破だ。頑張ってくれよ。
12/2
日本2-1スペイン、勝っちまったよ。
コスタリカに負けた後、女房が
「スペインは強いから、日本はこれでお終いかな」
「まあ普通はそうだけど、サッカーは強い方が勝つとは限らないし、少しは勝つ可能性あるね。相手が守りを固めると、日本は攻められないけど、攻めて来る相手には意外と頑張るから」
なんて言いながら、ほとんど諦めてました。
5時に起きたら日本0-1スペイン。あっやっぱり、と思っていたら伊東が頑張って堂安に渡り同点シュート。直後に堂安、三笘の折り返しを田中が決めて逆転。やるじゃないか、これで終盤にFK・PKで逆転されるのが日本のパターンだからぬか喜びしないぞ、と自分を戒めていたら、ロスタイム7分も乗り切って勝利。
結果良ければ全て良し。ベスト16、素直に喜びましょう。もう一つクロアチアに勝ってベスト8、行きたいねえ。チーム全員の頑張りが結果を出したのだけれど、やはり個人の力も大きい。堂安の決定力はさすがだが、その前に伊東が愚直に相手と競り合ったから生まれたゴール。田中の決勝点も、三笘が必死で走りセンタリングしたからこそ、田中のゴールが生まれた。
テレビはワーワーがなり立て大騒ぎするけど、得点のお膳立てをする選手を報じない。アナウンサーも解説者も、勝てば良いというレベルなのだな。テレビ業界、日本人の劣化はこんな所にも顕著だ。
日本はこれからも、前半とにかく守って、後半選手交代してこぼれ球を得点に繋げるというサッカーを目指したいのか。嫌だねえ、あまりにも自分が無い。自立した選手が走り回り、ショートパスから速いセンタリングの躍動的なチームになって欲しい。オシムさんが示唆した躍動的で楽しいサッカーのように。
スペインはショートパスを繋ぐという自分のサッカーを貫いて負けた。コスタリカは5BKで守り抜くというサッカーに徹して負けた。
一人のスーパースターを盛り立てて勝つというアルゼンチン・ポルトガルのサッカー、ボンボンとロングボールを放り込んで決める昔のイングランド。色んなサッカーがあって楽しいけれど、日本のサッカーはどうするんだい。
ま、何はともあれ勝ってよかった。次のクロアチア戦も見よう。
それにしてもテレビの放送レベルは酷いものだ。下手な学芸会みたいで試合よりも観客席、スタジオ、日本のファンを長く写す。ボールは動いているよ。インターネットの普及で、新聞テレビは没落するのが悲しい。道具の問題では無く、使う人間の頭の劣化だなあ。
12/5
つぶやき。板倉が出られないのは痛いなあ。遠藤、富安の怪我は大丈夫なのか。久保が出ないのは体調が悪いのか監督批判のせいか。堂安は先発か。後半は浅野、南野、三苫の出番だろうなあ。伊東の愚直な攻撃に期待。鎌田、今度は輝けよ。
ありやりゃ、前田が輝いたよ。良かったねえ。BK陣の動きが悪いねえ、マークがずれるし、フリーにし過ぎ。クロアチアのミスで助かっている。守田、鎌田、もっと走ってガンガン行けよ。長友は衰えたねえ。伊東は良いなあ。堂安はやっぱり後半から使うのが良いねえ。さあ交代枠を上手く使えるか。やはり浅野、南野、三苫だな。前田を変えるか。クロアチアは強くないし、マークが甘いから日本でも攻められる。
動きが悪いねえ、でもクロアチアも鈍い。低レベルの争いだが、どちらもチャンス有り。交代なら田中、町野か。踏ん張りどころだ。それにしても無駄な映像が多すぎる。観客や監督映してどうする。プレーは始まってるのに。ビデオも多過ぎ。
PK負けか。残念ながら順当負け、決してクロアチアは強くないが。しかし南野に最初に蹴らせるかなあ。浅野か伊東、谷口辺りかと思ったけど。フランスチームを見ると、日本はまだまだ未熟過ぎる。戦術以前に、止める、抜く、蹴るという基本技のレベルが低過ぎた。やはり根本から叩き直して、日本流のサッカーを築いて欲しい。
12/18
決勝はフランス3ー3アルゼンチンで、延長戦からPK戦になりアルゼンチンの勝ち。
うーん、確かに凄い試合ではあったけれど、良いスポーツを見た爽やかさはさっぱり無い。勝てばラフプレーも許される、というアルゼンチンとそれに追随する一部のフランス選手がサッカーの品格を落としいるし、マスコミも問題視していないのが不愉快なのだ。
サッカーはチンピラの喧嘩ではなくあくまでスポーツであり、W杯決勝はその頂点で最高のものであって欲しい。
キーパーへ体当たり、肘打ちを意図的にしたり、バックチャージや手で掴む、足の裏を見せたタックルなど当たり前。相手に劣る自分を危険なプレーで補うなどとんでもないことだ。球蹴りが上手いだけのチンピラ集団は見るのが悲しくなる。サッカーはルールに従った、楽しく素晴らしいものである事を世界中に知らせて欲しい。
そういう想いは別にして、技術、体力ではやはり日本などとは別世界。見る、止める、蹴る、走るなど基本が万全な上に、メッシ・エムバペなどのスーパースターがいる。
顔と肩の動きだけでフェイントを掛けて逆を取るメッシ。とんでもない突破力でシュートに繋げて枠を外さないエムバペ。彼らはいつでもそういうプレーをして驚嘆させてくれる。
ドイツ戦での板倉のロングパスを見事に止めてそのままシュートを決めた浅野のプレーや、スペイン戦で伊東の競り合ったボールを拾って決めた堂安のミドルシュートは間違いなくワールドクラスだった。もっともっと褒めてあげなくては。けれどそれが続かないのが今の日本の実力なのだ。
相手のBKより足が遅くテクニックの劣るFW、MFでは困るのだ。ドイツやスペインに勝ったのは立派な実績だが、コスタリカに負け、クロアチアに押されまくった実力はきちんと見なくては。ワイワイお祭り騒ぎするマスコミやサポーターはその辺もきちんと見て欲しい。本当に世界に伍してサッカー王国と言われる日を私は待ち望んでいるのだ。
60年近く前、私がサッカーを始めた頃はW杯なんて夢のまた夢。誰もそんな事、言ってなかったのがここまで来たのだから。私が生きている間ではダメかな。