6.浦東空港発13:15NH920便

初出 2003. 1. 3

帰国

今日は、早朝から縫製工場見学の予定だったが、都合で中止となり、私たちはのんびりの朝。ブルーオーシャンの社員達は事務所見学へ行くそうだが、私は一昨日伺ったのでパス。
綺麗なチャイナドレスの小姐に案内されて、朝食バイキングをゆっくりいただいた後、部屋で荷物の整理。子供達には、上海博物館で買った絵はがきを書いたが、彼らにとっては、初めての国際郵便となるはずで、私なら嬉しいのだが彼らはどう思うだろうか。
ホテルのクロークで切手を買うと、2枚で10元。言葉は分からないけれど、送っておいてくれるという雰囲気なので、英語で確認すると頷くのでまあ大丈夫だろう。

渋滞を予測して、早めに浦東空港へ。13:15発NH920便は、やはりボーイング777。
チェックインも簡単に終わり、免税店でお土産を見て回ったが、あまりパッとするモノは見当たらず、紹興酒と絹製品等を購入。紹興酒はまろ味があって旨かった。
人民元は国外持ち出しが出来ないので、余った場合は両替するのだが、日本円を両替した時の領収書が必要で、しかも両替金額の半額までしか日本円に換えられないとか。小額な場合は、面倒なので買い物で使い切るのが普通だろう。

紹興酒 紹興酒
その他には、蘇州の刺繍ハンカチ、小さな亀の置物、小物入れ、絹のセカンドバッグ等、小さいものしか買わなかったが、今度来るときは事前に研究しておいて、陶器や掛け軸などの美術品を買おう。

無事離陸したボーイング777は、順調に成田へ。またチャイニーズオデッセイでヴィッキーチャオを見て、食事をするともう九州上陸。本州上空を辿って、夕闇迫る成田上空に来ると、家々の明かりが美しい。これを見ると、日本は本当に美しい国土だと思う。緑が溢れ、景色が優しい。風土がしっとりとして優しさが感じられる。外国旅行はとても楽しいけれど、この国に帰るとホッとするのが不思議だ。 やはり心身ともに日本の文化に馴染んで仕舞っているんだなあ。

一方、上海は景色も乾いた雰囲気で、人も景色もドライそのもの。これはこれでとても面白い。蘇州はしっとりを越えてどっぷりと水に浸かった感じだが、これも楽しい。

新婚旅行でロサンゼルスに行った時、日本では素敵な色に思えた臙脂のトレーナーを着て行ったのだが、現地の明るい光の下ではまったく冴えなかった経験がある。風土と文化は密接な関係が有るのだから、ここで良いと思った物事も、あちらでは駄目な場合がある。自分の国土や文化を大事にしながら、それぞれの国の良さをお互いに愉しめるようになればみんな幸せなんだが。

通関後、車屋に電話するとマイクロバスで迎えに来てくれる仕組みになっていた。頼めば屋根付き駐車場も使え、洗車もしておいてくれる、私は使わなかったけれど。まったく、お金さえ出せば便利で楽だなあ。
みんなと楽しく解散して、高速に乗るとやや混んでいたが、8時過ぎには帰宅。やはり家は寛ぐ。

概括

その他に、今回の旅行を通じて感じたことをランダムに概述してみます。
旅行は金が有れば快適だが、面白みも無くなる場合がある。それぞれの好みだけれど、私は現地の普通の生活をまず知りたい。その上で、贅を尽くした最上の世界も知りたいなあ。上だけ、あるいは下だけしか知らない人生ってつまらないように思う。色んなことを知った上で、私は庶民の生活を愛したい。

中国人は日本人と多少気質は違うが、それは生活習慣の違いで有って、何処にでも、良い人悪い人普通の人は居る。現に、上海のクラブの女性達は、私のイメージする大和撫子そのものの雰囲気を持っていた。

上海料理は過激な味付けではなく、私の口に合う。四川・広東・北京・上海の四つの料理を食べ比べてみたいものだ。

日本では、カケス・雀の五月蝿い鳴き声に煩わされたり、烏の傍若無人な振る舞いに腹を立てることが多々あったが、ここ上海・蘇州では、鳥がほとんどいないのに驚く。日本の繁華街の朝は、烏がゴミ袋をつついているのが当たり前だが、まったく見かけなかった。何か事情があるのか、それとも鳥も住めない環境なのか。今回だけの現象なのか、本当に鳥がいないのか、興味のあるところだ。
緑は確かに少ないし、黄砂が舞う乾いた風土なのかも知れないが、日本で感じる鳥、虫、花の自然な雰囲気は感じなかった。花鳥風月は日本独特の文化かな。

今回、体験出来なくて心残りなモノも多い。
元々私は、目的も無くフラフラと町を散策し、そこで出会う物事に喜びを感じる性質なのだが、今回は時間も無く、自由行動は憚られたので、次回は是非、南京路や豫園商場の散策をしたいと思う。地下鉄やバスに乗ってウロウロしたいし、屋台でも飲んだくれてみたい。

行きそびれた所も数多い。上海動物園や広州にも行っていないし、上海博物館もゆっくり見たい。上海の躍進の現場を見るという意味でも、工場見学が出来なかったのは残念だ。

バスで上海の目抜き通りを通っていた時、実弾射撃の看板が出ていたがやりたかったなあ。20年ほど前、ハワイでやったきりで、日本じゃ出来ないもの。上海の本屋巡りもも出来なかったし、映画も見られなかった。もう少し時間を作って、上海の女性とももっとお話ししたかったなあ。

しょっちゅう海外旅行出来る程の余裕は無いが、また行きたいな。国内のしみじみ旅行も楽しいが、海外旅行ののショックも楽しい。良い機会を与えてくれた高木社長、楽しい旅仲間のみなさん、上海の夜の世界を味わわせてくれた畑中さん、哀愁漂うガイドさんそして貴子さん、みんなありがとう。たった三泊四日なのにみんなのお陰で濃い時間を楽しむことが出来ました。また行くぞ。

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